建具の種類引き戸編

建具の種類 引き戸編
今回は、引き戸の特徴を説明します。引き戸とは、基本的に溝やレールの上を横に動かして開閉する戸のことです。いままでは、障子など、建具が溝の上を直に動くタイプや、レールの上を戸車を介して動くタイプが主流でした。最近では、レールを上につけて扉を吊る、吊り戸がよく使われています。床がフラットになるので、バリアフリーにしたい場所に向いています。

引き戸の種類

建具の種類 引き戸編
引き戸には、「片引き戸」「引き違い戸」「引き分け戸」「引き込み戸」の4種類があります。設置に適した場所や、戸の枚数、必要なスペースに違いがあります。

【片引き戸】
片側に開閉するタイプの戸で、最もよく使われます。壁に戸をスライドさせるスペースが必要で、その部分の壁を薄くすることもあります。基本、戸の枚数は1枚ですが、2枚以上の戸を連動させるタイプもあります。
最近では、アウトセット引戸というタイプもあり、リフォームなどで開き戸から引き戸に変更する際に比較的容易に施工することができます。

【引き違い戸】
2枚の戸と2本の溝やレールからなるタイプです。どちらの戸も左右に動きますが、基本正面から見て左側の戸が奥、右側の戸が手前になります。3枚以上のタイプもあり、収納スペースなどによく使われます。

【引き分け戸】
2枚の戸を、開口部の中央から両側に開閉するタイプです。両側に開閉するため、片引き戸より大きなスペースが必要です。基本、溝やレールは1本で、間仕切りなどによく用いられます。

【引き込み戸】
壁の中に戸袋があるタイプです。開けたときに戸が戸袋の中に入るため、戸は見えなくなります。また、引き込むスペースが壁になっているため、室内がスッキリしてみえます。戸袋の中の掃除がしにくい事と、戸の枚数を増やすと壁が厚くなることが難点です。





 

引き戸のメリット、デメリット

建具の種類 引き戸編
引き戸と開き戸はよく比較されるので、違いに着目しながらメリット、デメリットを見ていきましょう。
【メリット】
・開き戸と違い、左右にスライドさせて開閉するため、スペースを取らない。
・開閉が楽で、風などで急に閉まらない。
・開けたときに、開き戸より開放感がある。
・開き具合を加減できる。

【デメリット】
・戸と壁の間にスキマができるため、開き戸よりも気密性や防音性に劣る。
・戸を引き込むスペースがないと、設置できない。
・戸を引き込むスペースには、スイッチやコンセントを設置できない。

引き戸のメリット、デメリットを見てみました。引き戸は、人の出入りの多い場所や、風通しを良くしたい場所、収納などに向いています。開き戸と引き戸の違いを理解した上で、家の動線計画を考えたいですね。

 

施工事例